山形一人旅①

6月のさくらんぼ援農で移動中、車から見える月山。がっさんって読むんだけど、最初知らなくて”つきやま”って呼んでました。百名山だと知って、ぼんやり登りたいなぁと思っていましたが、今年の援農の時にさくらんぼ仲間から、山形の小説家、森敦の本を読んだらすごかったって話を聞いて、早速図書館で予約入れて読みました。62歳で芥川賞を受賞したその作品は、山形弁が難解で、文体も古く読みづらかったけど、独特の世界に月山に登りたい気持ちがどんどんふくらみ、更に月山の登山情報調べたら、うさぎは月山神のお使いで、卯年の今年は12年分のご利益があるとされているのを見て、今年登る!!ってなりました。

月山は、羽黒山・湯殿山と合わせて出羽三山と呼ばれ、羽黒山は現在、月山は過去、湯殿は未来と3つを巡る生まれ変わりの旅として修行僧や庶民に広まった場所。3か月くらい前から計画して調べて宿予約とかして、毎日8合目のライブカメラで天気予報と映像を見比べてたけど、直前になり天気予報が・・・

車で東京から行くと約500キロ。6時間半以上かかるので、気持ちは実家への帰省と同じくらいの遠さ。なので、移動した日はゆっくりと気軽に登れる羽黒山に登って、翌日本格登山の月山に登る予定でしたが、天気予報がどう見ても初日がお天気よくて、その後は悪くなるだけ。

前日まで悩みに悩んでシミュレーションを何度もして、八合目登山口への車道が狭くすれ違いも厳しい山道なので、バスで行くのも検討して時刻表見てみたり、リフトを使える姥沢小屋裏登山口からコースタイムを考えてみたり。結局、夜中に出発して長距離運転の後、その日に月山に登ることにしました。どうしてもお天気のいい日に登りたかったので。

事前検索で本来なら9月20日頃まで開いている本宮が、今年は水不足やスタッフの体調不要のために予定していた日には閉山してしまっていて、閉山のお知らせを見た時の落胆はめちゃくちゃ大きかったけど、八合目にある中之宮は開いていて、御朱印ももらえるというので、それで我慢することにして、ギリギリまで楽できる姥沢小屋裏からの登山口を迷っていましたが、中之宮に寄ることができる八合目弥陀ヶ原登山口の方へ行くことに決めました。

登山口までの道路は結構キビシイ。山道に慣れてる方だと思いますが、ピンカーブの連続と対向車が来た時の大変さ。バスは見かけなかったけど、この道バスが通るの??って道でした。

お天気はサイコー。眼下に庄内平野が広がります。登山口の駐車場にある小屋でトイレと登山届を済ませてスタート。八合目あたりは弥陀ヶ原湿原で所々に池塘(ちとう)という小さい池があって、空と景色が映りこんで本当にきれい。ずっと眺めていたい景色です。今回は登山するので時間ないけど湿原の周遊もできるみたいなので、景色見て歩くだけでもいいかも。

湿原をしばらく進むと大きなうさぎさんの石像のある中之宮神社に到着。鳥居の向こうに月山の山頂が見えています。とりあえず卯年の特別な御朱印を頂いてると、オコジョが!!

最初は社のさい銭箱あたりにいたんだけど、どんどん近づいてきて、お店の中を走り回り、その後足元まで来てくれました。リスに似てる速さでめちゃくちゃ顔小さくてビックリ。とにかく穴にもぐった後、抜け出せなくなってたりするしぐさもめちゃくちゃかわいくて、初めて見るオコジョ、動画撮りまくりました・苦笑

紅葉はまだしてなかったけど、高山植物がまだ咲いていて、とにかく東京より暑い!

途中、大きな荷物を背負う歩荷の人と会いました。今日の天気は最高だと教えてもらって、無理して今日登ってよかった。歩荷はシーズンには2日に1回、15、6キロ担いで登ってくるそうです。お米とか大量に重いものはヘリで輸送。飲み水は運んでいるが、トイレなどの生活用水は雪解け水。今年は雨が少なく、暑くて雪が早く消えてしまったので水不足になったらしい。

途中までは低木があったので、木下に潜り込んで休んだりしていましたが、途中から日陰もなく、暑さが体に応える。睡眠不足で長距離運転で来たのでちょっと熱中症なりかけなのか、顔の熱がとれなくて、焦って梅ジュース飲んでしのぎました。

平日だったからか、思ったより登山の人少なくて、前にも後ろにも誰もいない状況しばしば。間違えない道だけど、もしかして道はずれてる??と心配になったり、朝登って降りてきた人に、今朝クマが出たよって聞いたりして、一人でクマに襲われて死んでもしばらく誰も気づいてもらえないんだろーな、まぁ登山届は出してるから、そのうち連絡がいくかなって考えたりしながら、貸し切りのような月山を楽しみました。

途中の佛生池小屋近くのお地蔵様。小さい社が横にあって、小屋で働いてるらしき女性がそのお社に向かってほら貝を吹いていました。生まれて初めてほら貝の音を聞きました。女将さんが山伏なのかな?と調べたらこんなサイト見つけました。フェイスブックも。山に鳴り響く音、きもちよかったです。

今までで最高値900円くらいの記念バッチ、行きはもしかしたら山頂で買えるかもと期待したけど、買えなかったので、帰りにこの山小屋で買いました。でも普通の500円バッチ、中之宮神社に売ってるの帰りに気付いた💦

頂上近くの木道に着くころには山頂は雲が出だして、下は見えるんだけど、上は真っ白。小説の月山を思わせるような幻想的な景色。

木道の足元に作り物みたいに綺麗な黄緑色のバッタが飛び回って、岩の間に落ちていく。渡りの蝶かな。青いの。帰って調べたらアサギマダラ。

下界の景色はずーっと見えてみて、雲が近くを流れてく。神の庭って感じの緑と岩の美しい景色が山頂までずっと続きました。

山頂の本宮が閉まっているのはわかっていましたが、山頂手前で一緒になったおじさま二人連れが毎年月山に登っているらしく、本宮を案内してくれるというので、一緒にちょっとのぞきました。お社は雷の被害で工事中でしたが、自由参拝と書かれてあり、ちょっとのぞいてお参り。

月山の御祭神は”月読命”。天照大神の弟神で、夜・海・魂や死後の世界を司り、霊験あらたかとされているそう。

雷の修理のための閉山を、雷落ちたって縁起が悪いからカモフラージュで公式発表は水不足とか?ってその場にいた人たちで笑って話したりしてました。

三角点は本宮から少し離れたところにあり、そこに一緒に行った時に三角点についても教えてもらい、三角点って山の一番高いところを表してるものだと思っていたら、そうじゃなくて、地図の測量のための点で、低い山にもあり、一等から五等まであって、高い順ではなく、設置間隔の広いものから一等、二等・・とか色々初めて知りました。

山頂から少し戻った景色の良い場所で、にぎってきたおにぎりを少し食べて下山。

帰りもペースが同じくらいの人はいなくて、神々しい神さまのお庭、独り占めでした。

駐車場のおじさんに下に見える景色が庄内平野だと教えてもらい、天気がよければ鳥海山、日本海には飛島まで見えるって。

初日の宿泊は山伏さんが経営する宿、宮田坊です。近くには宿坊がいくつもあり、どこがいいのか迷いましたが、温泉があり、山伏さんのお話が聞けるという口コミで選びました。

部屋は簡素で東京より暑い・・・

温泉入ってから、だたっ広い部屋に一人で精進料理のお膳をいただきます。

山伏さんがお神酒をどうぞ。口コミ通り私の山伏業への色んな質問に答えてくださり、ますます山伏への興味が湧きました。世襲制ではなく、誰でもなれるので是非ってスカウトも・苦笑

山伏についてはこちらにわかりやすい記事があったので。

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